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第2話 これ、誰?
次に目が覚めると、そこは応接室のようなところだった。そしてややこしい話が待っていた。
「やっと起きたか。ユウはこういうトラブルには強いと聞いた。困ってるんだ、助けてくれないか」
と、言われましても。あんた誰よ。それから俺も誰? それと、頭がぐらぐらするのを誰か止めてくれないか。
「まだ寝ぼけているのか。2,3発殴ってやろうか?」
物騒なことを言ったのは、俺をここに拉致してきた双子剣士の片割れである。
この子は俺のことをずっと昔から知っているというように話す。しかし俺には全く心当たりがない。誰なんだ、こいつは。そして俺は誰だ。なんでここに連れてこられた。トラブルとはなんのことだ。
頭痛はするが頭ははっきりしている。まずは、確認作業だ。
「ここはどこ?」
「ああ、寝ている間に連れ込んじゃったな。俺の工房の事務所だ。ホレ、冷たいお茶でも飲んで目を覚ませ」
そう言ったのはまだ20代前半ぐらいと思われる青年だ。言われて気がついた。ものすごく喉が渇いていたことに。差し出されたコップを手に取ると、俺は一気に飲み干した。
「あぁ、うまい! こんなにうまいお茶は飲んだことがない。お代わりもらえるか?」
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