秘密の花園

2/2
前へ
/3ページ
次へ
彼女の事について、何かを覚えているとすれば、それはきっと… ▲ 彼女は、美しかった…ということだけ。美しいと言うのは、性格のことでもあるし、容姿のことでもあるけれど。 それでも、彼女はひたすら美しかった。 美しい彼女に、誰だって惹かれて仲良くなりたいと、願う筈なのに。 彼女に近付こうとした男を、私は1度も見掛けたことが無い。まぁ…それもしょうが無いことなのかもしれなかった。 美しすぎたから、彼女と自分なんか釣り合わないだろうと勝手に決めつけ、恐れ彼女から逃げたのだ。彼女に、そんな奴は似合わないからそれで、私は良いと思っていた。 そんな私さえ、彼女の秘密には指1本触れさせて貰えはしなかった。 ……。 彼女が、あんなに深刻な悩みを抱えていたなんて、知らなかったのだ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加