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他愛のない連絡。
「もう、真夜中なのに」
暗い空を見上げた。
「──いい月出そうって思ったから」
月が、丸い。
「……写真にするのはもったいない」
指で枠を作る。
「写真家の俺に言うー?」
レン君は写真家だ。
「そういえば髪伸びたね」
あたしは美容師だ。
「髪切んのめんどくさくてな」
伸びた襟足を乱雑に結んだ髪。
「……切ってやろっか」
指の枠にレン君を入れる。
「何、柄にもなくお礼ってか?」
二度三度、何度目か分、全部。
「そーだよ」
たまには素直に。
「じゃあ明日」
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