誰かが月が綺麗ですねとか言うもんだから、

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 早い決断。 「昼?」  休日の昼間に会うのは滅多にない。 「いんや。夜」  年の離れた妹と遊ぶから無理だそうで。 「最重要事項は仕方ない」  笑っていると、レン君が黙った。 「何?」  聞く。 「いや──いい加減、そろそろ?」  わからない。 「は?」  生温い風にべたつく汗。 「月」  真夜中を独占する灯り。 「うん?」  月を見る、あたしとレン君。 「──明日も月が綺麗だといいなって話」  かの文豪の、訳。 「……まじか」
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