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――だが、光が強くなれば、闇もまた深くなる。
否定する者達もいた。
精神的なものから、自分の利害にそわないもの、流行りものを嫌う層など、様々だ。
だが次第に、それらの声はなりを潜める。
彼女の魅力に惹かれて変心した者、関心を払わなくなった者、声をあげる危険を感じた者など、その理由は様々だ。
……ただ、人は孤独に耐えられるほど、強い生き物ではない。
周囲の、同調や共感。
彼女への関心や熱狂が増すほど、それらの反抗者達は、声を潜めざるをえなかった。
――それが狂的なものだと知りながら、止める術をえられずに戦争へ陥った、歴史に記された国家のように。
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