愛しいと、思う。

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『荒』というエネルギーである私は世 界の自然の理の中にある。 それを人は神だとか、龍神だとか言う。 だが、そんな言葉に意味はなく、私は自然の中の一部でしかない存在だ。 お前のそばにいるということは、お前の人生に『荒』を招いてしまう。 お前を幸せにしてやりたいのに お前のそばにいると、私はお前を傷付けてしまう。 だから、私はお前に関わってはならない。 ならないのに…私を感じる事の出来るお前と繋がりたいと思ってしまう。 許されぬことなのに…。 眠りについた娘から離れ、夜空を浮遊する。 真夜中に浮かぶ煌々と光る満月を見上げた。 この月の光のようにお前の人生は優しい光に照らされればいい。 だから、私はお前のそばにはいられない。 だが、これだけは忘れないでいて欲しい。 お前は愛されているのだ。 例えそばにいなくとも、私はお前を愛している。 誰よりも…。 完
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