夜の地図

「ストリートビューって知ってるか？」
　急に友人から言われた言葉でしたが私はすぐさま返答しました。
「知ってるよ。マップのアプリについている奴だろ」
　そう友人が聞くとスっと距離を詰めスマホの画面を見せ説明を始めました。
「今度俺たちが行く目的地を押してこうすると、ほら写真が出てきたろ、この方向だけじゃなく」
　友人が指で画面をなぞると画面に映っていた景色が変わりました。
「これがさっき見ていた所の後ろ側な、そしてこうすると今見ている場所から写真の中で移動できるんだぜ」
　私はこの時は平然と受け流していましたが、内心ではすごいと興奮していました。
　私は一つの写真が左右に動かせたり、移動できたりするのが不思議で、友人と別れるとすぐさまスマホに飛びつきストリートビューで自分の住んでいる町を歩き回りました。
　この場所行ったことあるとかこの場所知ってるとしょうもない事で盛り上がっていました。
　いったことある場所をストリートビューで見るのも楽しいですが、どうせなら行ったことのない場所を見たいと私は思うようになりました。
　そこでまずは色々な観光地を見て回り、それに飽きると外国のまったく知らない土地を見てみたりしました。
　それで私は満足すればよかったのですが、これに満足できずある事してしまったのです。