彼女の事は、何も知らない

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数秒の沈黙。いやもっとか? 緊張と幸福、その他諸々の感情が入り混じった僕の思考は、完全に停止していた。 これが泡沫の夢でないように。 この時間を噛み締める僕がそう願った次の瞬間、彼女の薄桃色の唇が初めて言葉を紡いだ。 「この人痴漢です」
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