優しい嘘

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優しい嘘

朝 目が覚めるといつもの独り言が始まる 僕「やっぱり真っ暗...何もみえないな~ 」 目が見えない僕でも 今が朝だとわかる 毎朝 僕の居る病室 窓の外からラジオ体操の音楽が流れてくる ラジオ体操の音楽と共に僕は目が覚めるのだ 僕は 出来ないことだらけ 一人でトイレにも行けない言葉は 何となくは分かるが文字は分からない 窓の外からラジオ体操の音楽が流れて来るが何をして居るだろか? そもそもラジオ体操と言う言葉は流れて来る音楽の始めの言葉で覚えた 毎日 聞こえて来るので 自然に覚えてしまう お昼の時間 コンコンドアをノックする音 看護婦「お昼ご飯の時間ですよー」 と看護婦が病室に来て 点滴の交換をする あとは ゼリー状の物と薬を飲んで終わり 僕「看護婦さん ご飯て美味しいの? お肉は お魚は 野菜は美味しいの? 僕の病気が治れば食べられるのかな?」 僕は わがままだ 看護婦「そうね~ あと少し...」鼻をすする音 「あと少し頑張ればお母さんの美味しいご飯も食べられるわよ」 僕「頑張るね」 本当は頑張りようが無い事 僕は知っている 僕は心の中でゴメンなさい ありがとう 看護婦さんの優しい嘘
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