0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
君と私と夢占いと
夕方の図書室。
オレンジ色に染まる静かな空間。
壁にかかった時計の秒針の音が聞こえるほどの静けさ。
こういう時間は凄く良い。
戯れに閲覧室の隅っこで、文庫本などを読んでみたり。
「あ、あの……樫原先輩……」
苗字を呼ばれて顔を上げると、俯き加減な男子がいた。
俯き加減なのは彼が立っていて、私が座っているからかもしれない。
彼はどこかで私の話を聞きつけたのだろう。
意外と有名みたいだ、私の夢占いは。
最初のコメントを投稿しよう!