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「わぁーーーっ!」
メルルは会場に集まっていた魔族たちの数に驚いた、バルニアシティにいるほとんどの魔族が城に集まっているだけでない、大陸を越え、各地から多くの魔族たちが自分の魔王継承式の為に集まってくれたのだ
「さ、メルル様、挨拶に参りましょう」
「うん!」
シャマに連れられ、会場の中心に向かう、多くの魔族がメルルに気付き一同が深々と一礼する
「これはこれは!新魔王様!」
「まあ!母君と同じく美しいお姿で!」
正装を着こなす魔族たち、その多くがこのバルニアシティの開拓に携わっている物だ
一番に挨拶を交わしてきたのは長い顎鬚のミノタウロスだ
「この度は、新魔王継承おめでとうございます。メルル様」
「うん!あ…、うぬ!たしか貴殿はミノタウロス大工長の、えっと…」
「ホルスです、以後、お見知りおきを」
「うん!よろしく!!」
まだ子供なりに、頑張って大人らしい口調で喋ろうとするメルルに心が温まった様子のホルス、彼の仕事ぶりは予てから耳にしていたメルル、母の助けに大きく貢献している彼に敬意を表して満面の笑みで挨拶に応えた
「ワシらからも祝いの言葉を上げさせてくれぃ、おめでとうございます。新魔王のお嬢さん!」
この声の主はドワーフだ、握手を求める彼の魔王族に対しての言葉とは思えない言動に周りがどよめくが、メルルは力強く握手に応えた
「よろしくね!ドワーフのおじさん!!」
「うぉ!?うおおおお!?」
ブンブンと、力強い握手が100キロを超えるドワーフの体を糸も簡単に振り回すメルル、その光景に笑いが込み上げた
「メ、メルル様、ドワーフ殿が…」
目をグルグルさせながら今にも倒れそうなドワーフを見てシャマが珍しく動揺する
「こ、このぐらい大丈夫じゃわい…、シャマ殿…うぷ…」
「あはははは!元気で良いですねえ!メルル様!」
「!」
その声の主にシャマは鋭く視線を移した、メルルの目の前に現れたのはキャスパーなのだ
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