少年の成長を追う

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少年の成長を追う

 ソウタと僕が出会ったのは、二〇三四年のことだった。  その時期、地球上の特に先進国では、あらゆる科学技術が少し前よりいくらか進化して、人間の仕事のうち単調なものから複雑なものまで、より多くのものが機械やそれに依存する仕組みによって代替されるようになっていた。  もう少し具体的に言えば、電車や車の運行から農作業、外科手術に至るまで色々なことがロボットの仕事となり、家庭では調理や洗濯といった家事から、場合によっては介護や育児も機械が手伝っていたし、自己管理が苦手で過ちを犯しやすい人々は、目覚まし時計の設定だけでなく日々摂取する糖分の測定やその日の運動量の管理まで、あらゆる場面で高度なプログラミングに頼った。ほとんどの場合人間の仕事は、珍しい(あるいは不運な)一部の場合を除き、特化されたサービス業かそれらの機械を管理することになった。     
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