真夜中のジョギング走者

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 そして今日、私はドキドキしながら靴紐を結んでいる。  今日から、私も走るのだ。 「まずは、挨拶する仲にならないとね」  自分に言い聞かせるようにつぶやくと、私はドアノブに手をかけて、その時を待った。  たったったったっ  足音が近づいてくる。  私は深く息を吸うとドアノブを回した。  もう、見ているだけは終わりにするのだ。  私は思い切って駆け出した。 「ーーおはようございます!」  了
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