真夜中のジョギング走者

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 それからだ。  私が彼を一人の男性として意識するようになったのは。  日に日に痩せていく彼は、どんどん格好良くなっていく。  私と同じ年頃ということは、大学生かな。  ……大学で女の子に騒がれていないかな。  カーテンの影で溜め息をこぼす回数が増えていく。  そんな私の気持ちを知る事なく、今夜も彼は軽快な足取りで駆けていった。
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