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「最近、煌牙の体調がイマイチなんですよ。休みの間に診てやってくれませんか」
「そうなの?」
黒斗はじっと煌牙の顔を覗き込む。
「たいしたことない。無理に飲まされる発情誘発剤が体に合わないだけだ」
見つめられて恥ずかしくなり顔を逸らす。
高校を卒業してから獣医になるべく勉強した黒斗は宣言通り、獣医学部に進み、研修医を経て、今は立派に動物のお医者さんをしている。今では、ドッグパークと契約している獣医の中の一人だ。普段は、狼の姿の煌牙の体調管理を黒斗が担当してくれている。
「じゃ、隅々まで診てあげないと、だね」
「お、おまえ!」
「おーおー、いつまで経ってもラブラブだな。ごちそうさん」
園長は豪快に笑った。自分たちが恋人であることも、黒斗がなぜ獣医になったかも、周囲は知っていて応援してくれている。今日はそんな黒斗と自分が人間の姿同士で休日を過ごせる大事な一日なのだ。
続く……
***
この書き下ろしを含めた、文庫版を3/3のJ.garden46『すもももももももものうち』にて頒布します。
R-18になりますが、268ページで1000円です。
通販は、在庫次第になります。
イベントにお越しの際はチェックしていただけると嬉しいです♪ヽ(´▽`)/
こちら3/24以降に削除の予定です。
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