第四章:友愛の証!?

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「すみません。ありがとうございます」 「何して遊んだら、あんなに豪快に破れるのかしらね」  あえて理由は聞かずに、ふふふ、と微笑むみどりに、隣で立っている男はしれ、っと澄ました顔で立っているのが腹立たしい。  そいつに破られたんです、と言ってやりたい。 「じゃあね、クロはどうするの? ここで寝るの?」 「こいつと一緒なんてごめんだ」 「お、俺だって迷惑です!」 「あら、二人ともいつの間に仲良くなったの?」 「なってねぇ」 「なってません」  ほぼ同時に抗議するが、その抗議も受け入れられず、みどりは笑いながら部屋を出ていってしまった。 「直してもらってよかったな。くだらないこと言ってると、また俺に破かれて交尾されるぞ」 「二度とさせるか!」 「とにかくおまえは、俺に逆らうな」 「おまえなんか……犬のくせに!」  圧倒的な力の差があるのは、わかったが、なんだか悔しくて、苦し紛れに吐き捨てた。 「その犬に突っ込まれた狼だろうが」 「うっ」  そう言われてしまうと何も返せない。  もう何を言っても、あの屈辱からは逃れられないのだと頭を抱える。 「まぁ、みどりには、内緒にしておいてやるよ」 「当たり前だ、バカ!」  絶対に言えないし、知られたくないが、これで弱みを握られてしまったことになる。  父や兄が知ったら『ニホンオオカミの恥さらし』とでも言われかねない。  煌牙は悔しさでぎりぎりと歯を鳴らしたが、男は笑いながら部屋を出て行ったので、閉じた扉を睨みつけるしかなかった。
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