第四章 監禁

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 真一は跳び跳ねながら寝室を横切る。  リビングに差し掛かった時、床がミシッと鳴った。  真一は体を強張らせ、ゆっくりと珠緒を見た。 ――相変わらず目を瞑ったままだ。  真一は一息ついて、今度はもっと慎重に進んで事にした。  左足の踵を中心に体を回転させ、右側の足を前に出す。同じ様に今度は右足の踵で回り、左足を前に出す。  少しずつしか進めずもどかしい。  額に汗を浮かべて、玄関まで進んだ真一は愕然とする。  扉はガムテープで目張りされ、ドアノブもガムテープで固定されていた。  真一は扉の所まで進み、ドアノブまで手を伸ばす。  ドアノブに触れるのは腰の位置で固定された手の先のみ。  これではガムテープを外してもドアノブを握る事が出来ない。  何とか握ろうと体をひねったり、折り曲げたりしてみる。 ――その時、真一の頭はリビングの方へと向いた。  その目の前には、珠緒が立っていた。  何かを言う前に珠緒は真一は引き倒す。  縛られた真一は何も出来ずに顔面から倒れ込んだ。 「そんな所で――そんな所で一体何しているの!」  珠緒の声は怒りで震えている。 「トッ――トイレだよ。トイレに行きたかったんだ。漏れそうなんだよ。トイレ位良いだろ?」  真一自身でも泣きたくなる程の苦しい言い訳だと思った。  トイレのドアは玄関よりも手前にある。真一はトイレを通り過ぎて玄関まで着ているのだ。 ――だが、珠緒の顔は微笑んでいた。 「そうなの。先に言ってくれれば良いじゃない」  珠緒はそう言うと真一を掴み、引きずり始めた。
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