第4話:砂浜と見出しと下手な英語

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「痛い‥」 痛みを感じることにより、今の自分の状況が途端に現実味を帯びる。つねった頬より胸が痛かった。 「どうしてこうなるの?」 今置かれている状況を受け入れることはとてつもなく難しく感じた。 「ええと、今、あたしはどこにいるのだろうか?こんな所見たことないなあ。とりあえず誰かこの場所がどこか分かる人を探さなきゃ」 あたしは、海とは反対の方向に足を向けた。 10分程あるいただろうか、何とか【道】らしいものが見つかった。 かなり簡易的なもので、舗装もされてないところを見ると、かなり田舎に来てしまったのだろうか? 下手をすれば何km歩いても、人里に着かない可能性もある。 しばらく道とにらめっこしていたが、車が通る気配もない。 とりあえず歩いてみよう。 「大丈夫だよね?」 気弱な独り言が漏れる。 このまま、誰も居ない所で遭難して‥ 誰にも見つけられなくて、父娘失踪事件として取り扱われて‥ 新聞の見出しになるかも知れない。 友達も見るだろうなあ。 『謎の失踪!?』 『何故親子は消えたのか?同僚は語る!』 見出しのタイトルまで想像した後、思わず苦笑いをしてしまう。 「あたしって結構想像力豊かなんだなあ」 まだ馬鹿なことを考える余裕があるのだから、頑張ってみよう。自然と足に力が戻ってきた。
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