第7話:コーヒーのおかわりと選択とウインク

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「先生、お客様を脅すのは止めて下さいまし。可哀想ですわ」 金髪で紅い目をしていて、透き通るくらい色の白い女が突然部屋に、入ってきた。 同じ女性のあたしも見惚れてしまうくらい美しい容姿、違和感はほんの少しだけ尖った耳をしていることぐらい。 こんなに綺麗な人は芸能人でも見たことはなかった。 「こんなに可愛い女の子が頼っていらっしゃったのに、意地悪するなんて酷すぎますわ」 かなり立腹している様子だった。 「ふぅ、ニーナくん。立ち聞きは良くないな。私は別にイジメているわけではなくてだねぇ。仕事を引き受けるにあたっては、色々と了承してもらわないと‥」 立花は困惑した表情で答えた。 「だからといっても先生は無神経過ぎますわ。涼子様、任せて下さい貴女のお父様は必ずや私たち、立花探偵事務所が見つけ出しますわ」 ニーナと呼ばれた綺麗な人は、あたしに優しい笑顔を向けて話してくれた。 「いやだからね、勝手に話を進めないでくれ。依頼料の話とか‥万が一依頼人が怪我をしてしまった時の‥」 立花が言い終わらないうちに、ニーナは遮る。 「先生、色々とおっしゃってますが、まさか【自信がない】のではありませんか?」 「‥‥‥‥」 立花は少し黙って口を開いた。 「ニーナくん。【自信がない】というのは私に対して言ったのかな?この名探偵の立花仁に対して‥」 立花の口調は明らかに怒っていた。 「そうですわ。先生のことは尊敬していますので、こういうことは申し上げたく無いのですが」 プイと横を向きながら、ニーナは挑発するように言った。 「もちろん、私が取り組めば解決できない事件は無いよ。なぜなら私が名探偵なのだから。涼子くん君も私を疑っているのかね?よろしい。この挑戦受けて立とう。必ず君のお父さんを見つけ出して、お家に返そう。これでどうだ?文句無いな!?」 立花がそう早口で言い切ったと同時に、ニーナはあたしの方を向いてウインクした。 (立花さんって案外扱いやすい人なのかなあ) いつの間にか不安な気持ちが、ほとんど無くなっていることにあたしは気が付いた。 第8話に続く
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