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「そうですね。まあ、長生き出来ればだけど‥」
クラウドは一瞬冷たい目をしたような気がした。
「クラウドくん‥」
ケイトも心配したような表情で見つめる。
「何かあったのかね?」
立花は、クラウドに尋ねる。
「イヤだなあ、名探偵の先生をからかってみたかっただけだよ。俺なんか騎士団に入っているからいつ死んでもおかしくないしな」
クラウドは笑って答えた。
「ちょっと、変な冗談やめなさいよ」
フィリアがクラウドを咎めた。
「ははっ、ちょっと飲み直して来るわ」
クラウドも立ち去って言った。
「それでは、先生いい返事をお待ちしていますわ」
フィリアは頭を下げて、スタンレーの元に歩いて行く。
「友人たちが、失礼しました。私はケイト=マハラと申します。このホテルでシェフをやってます」
ケイトが自己紹介をした。
「いやぁ。今回のパーティーの料理は最高でしたよ。こんなに美味しい料理を食べれるなんて貴女の旦那さんも幸せ者だねぇ」
立花は料理を褒めちぎる。
「そう言っていただけて嬉しいです‥」
ケイトはそう答えたが、少し寂しそうな表情だった。
「おっと、我々はそろそろ退散しようかねぇ」
パーティーが思ったよりも息苦しかったのか、立花はあたし達に帰ろうと促してきた。
「先生がそうおっしゃるのなら、私は構いませわ。涼子様はいかがですか?」
ニーナはあたしの方を向いた。
あたしが、返事をしようとしたとき‥
「キャー」
「なんだ、なんだ」
「人が倒れたらしいぞ」
ざわざわ‥ざわざわ‥
賑やかなパーティー会場で事件が、発生した。
第14話に続く
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