第20話:船着き場とデッキと内緒の話

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「よくわからないけど、よくわかるようになれる様に頑張ります」 あたしは真面目に答えたつもりだった。 「はっはっは、君は素直すぎて凄いねぇ。真面目に話してしまって、少し恥ずかしくなったじゃないか」 立花は大声で笑いだした。 「あたし、そんな変なこと言いましたか?」 あたしは、何で笑われたのかわからなかった。 「そんなことは無いよ。君が依頼人で良かったと思っただけさ」 立花がそう言ったとき、デッキの出入口から声が聞こえた。 「先生も涼子様もここにいらしていたのですね。もう、私も誘って欲しかったですわ」 ニーナが不満そうな顔で言った。 「すまないねぇ。少し内緒の話をしていたものでね」 立花は口に指を当てて、あたしの方を向いた。 「私だけ仲間外れはズルいですわ。涼子様教えてくださいまし」 ニーナがあたしの肩を揺すってきた。 「そんな、別に内緒の話なんてしてないですよ」 あたしは慌てて答えた。 「涼子様まで、意地悪されますの。酷いですわ」 ニーナは涙目で訴える。 「えっ、ニーナさん本当に違うんですよ」 あたしがニーナの誤解を解くまで5分くらい時間がかかった。 【信頼】の意味について、あたしが真剣に考えるようになるのはもう少し先のことになる。 第21話に続く
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