第21話:船酔いと泥棒と鎌鼬

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「先生ったら、つまらない意地を張るからですわ」 ニーナはそう言いつつ、席を立って薬を持ってデッキまで歩いて行った。 10分後‥ ニーナに背中を擦られながら、立花は戻ってきた。 「失敬、失敬、見苦しいところを見せてしまったね」 立花は元気そうだ。 「薬が効いて良かったですね」 あたしもホッとして話した。 「薬?涼子くん、私はそんなもの飲んでないよ。ははっ。名探偵が船酔いなんかするわけ無いだろ」 立花は往生際が悪かった。 「先生はもっと素直になるべきですわ。涼子様を見習ってくださいまし」 ニーナはため息をつきながら言った。 船旅はいたって順調で2日はすぐに過ぎていった。 時々、立花はニーナからこっそり薬を貰っていたがあたしは見ないフリをしていた。 そして、早朝にはラボン地方の海沿いの国、【サンポルト共和国】に着いた。
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