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「地面っていうものはいいねぇ、ありがたいなあ」
立花はしみじみと独り言を呟く。
「先生は、船から降りると毎回そうおっしゃいますわね」
ニーナも立花に続いて船を降りる。
「あれっ、ニーナさん帽子にメガネなんて珍しいですね。イメチェンですか?」
あたしは、ニーナの顔を見て質問した。
「いいえ、こっこれは‥、日差し避けですわ。日傘だけではちょっと」
ニーナはそう言いながら目線を反らした。
「そうですか。メガネも似合ってますよ」
あたしは、そう言いながら久しぶりの地面を踏んだ。
「さあて、ここから隣国のグレス王国までは歩いて行く事となる。その前に入国手続きと出国手続きを両方やらなくてはならないから、今日はこの街に一泊するよ」
立花はこれからの予定を説明した。
それから1時間くらい立花が手続きを終えるまで待っていたのだが、ニーナの様子は少し変だった。
辺りをキョロキョロ見渡したかと思えば、小さな物音に過剰に反応していた。
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