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「キャー、泥棒よ。誰かー」
叫び声のした方向を向くと覆面の男が2人が、店の品物を持って猛スピードで逃げている。
「やれやれ、ニーナくん。悪いんだけど、流石に見逃せないしねぇ」
立花がニーナの肩を叩いた。
「承知いたしましたわ」
ニーナの体は金色に光り輝き、加速する。
「セイファー流‥追跡する鎌鼬(トレイサーソード)」
ニーナから突風が放たれ、それが覆面の男の1人にぶつかり、男は倒れる。
「もうひとりも‥」
ニーナがもう一度構えたその時‥
「トレイサーソード!!」
ニーナの真向かいから、突風が吹きもうひとりの男も倒れる。
風でニーナの帽子とメガネも吹き飛ぶ。
「全く、こんなに朝早くから僕の管轄で泥棒など命知らずがまだ居るのか、どうせ他所者だろ」
泥棒を一蹴した男はため息をついた。
金髪で中性的な顔立ち、耳が少し尖っていたが、容姿端麗と言っていいだろう。
背は高く、肌は雪の様に白い。
「あれっこの人どこかで‥」
あたしがそう思った時、
「お兄様‥」
ニーナは震える声で呟いた。
第22話に続く
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