第10話:フレンチトーストと国境と紫鬼

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第10話:フレンチトーストと国境と紫鬼

第10話 「コンコン」 ノックの音で、あたしは起きた。 こちらの世界に来て初めて、ふかふかのベッドで眠れたのであたしは熟睡してしまったらしい。 「ふわぁ。どうぞ」 あたし、今日はいくらでも眠れるなあ。あくびをしながらそんなことを考える。 「涼子様、おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」 ニーナさんが入ってきた。 「おかげさまで。それに寝巻きまでありがとうございます」 あたしはニーナに寝巻きを貸してもらっていた。もちろん色んな意味で大きすぎたのだが‥ 「それは、何よりですわ。ちょうど朝食の支度が終わりそうなので、1階に降りて頂けないでしょうか?」 ニーナさんは笑顔で朝食に誘ってくれた。 「何から何まですみません」 恐縮しながら、あたしはニーナと共に1階へ向かう。
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