第20話:船着き場とデッキと内緒の話

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第20話:船着き場とデッキと内緒の話

パーティー会場での殺人事件があった日の翌日、あたし達はスタンレーホテルを後にした。 「ラボン地方までは、船で2泊かかる。降りたら、グレス王国までは、ほとんど徒歩になる。あっちの大陸はこちら程交通機関が発達してないからねぇ」 立花は、あたしに言い聞かせるように説明した。 「ここからはさらにハードな旅になるから覚悟しなさい。もちろん、旅慣れた私達が君をサポートしていく。ただ、油断すると怪我をしてしまうから一応ね」 立花はそう忠告して、船着き場まで歩き出した。 「何か、今日の立花さん頼りになりそうなオーラ出てますね」 あたしは、隣で歩いているニーナに言った。 「あら、先生はあれでも最初から結構頼りになる方ですわ」 ニーナはキラキラした眼差しで、立花を見ていた。
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