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第21話:船酔いと泥棒と鎌鼬
第21話
船に泊まるという経験は初めての体験だったが、思ったより快適だった。
「もっと揺れたりするのかと思いました。船酔いが怖かったからホッとしましたよ」
あたしは夕食を食べながら立花達に話した。
「そうなんだ‥それは良かったねぇ‥うぷっ」
立花の顔色が良くない。
「あれっ立花さん、気分が悪いのですか?」
あたしは立花を心配した。
「先生、また船酔いされたのですか?薬なら私持ってますわ」
ニーナも心配して薬を取り出そうとした。
「私は断じて船酔いなど‥してはいないよ‥旅慣れているからねぇ」
そう言いながら、立花は夕食にほとんど手をつけてない。
「立花さん、本当に大丈夫なんですか?」
あたしは、もう一度聞いてみる。
「いやあ‥大丈‥夫‥あっ」
立花は今までに見たことないくらいの速さで走ってデッキの端まで行ってしまった。
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