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パぴピピピピピピピピピピピピ。
今日も開封した窓からウラドリの澄んだ美麗な鳴き声が部屋にこだまし、僕の耳に入る。
「今日も気持ちの良い良い朝だ」
ベッドの脇に置かれている眼鏡に手をかけ装着。
床に敷かれるアリスチア製のマッドの上に足を下ろす。マッドのはずなのに足を包みこむ感覚はまるでクッションだ。
アリスチアさんという人が作ったからアリスチア製と言われているが本来平民である僕にはとても手が出ない高価な品物である。
昨日用意しておいた今日の分の衣服を身に着け机上の鏡で自分の身だしなみを整える。
今日も桃色の首輪
今日は特別な日なので急ぎ足で一階の台所に向かい
棚からボール、鍋。でかめのスプーンを取り出し、
冷蔵庫からは卵、甘み成分が多く含まれるチミ。
保管庫からパンとグラルを取り並べる。
まず卵4個分をボールにあけスプーンである程度かき混ぜる。
そこにある程度ちぎり細かくしたパンを投入。
次にボールを鍋に流し、空いたボールにチミを大胆に80個ほど入れスプーンで全て細かく潰して鍋へ。
最後に仕上げのグラルを注ぎ加熱してしばらく待ち。
待つ間に素早く二階にダッシュし隣の部屋の扉を開きカーテンから太陽の輝きを招きいれる。
「はーい、セゼナさん。朝ですよー。起きてくださーい」
「んんーーーーー、まだ夜だよー。オルガ。一緒に寝よー」
ベッドから出ようとしないセゼナさん。
いつも通りだ。
今日はさらに僕の手を引っ張り無限暗夜へ引っ張ろうとする。
「ダメです。それにもう朝ですよ。じゃあ仕方ないですね。せっかく今日は記念日だからセゼナさんのだい」
「ぷリパッティ!」
勢い余り起き上がったせいでベッドの外へ体が持っていかれる。
「早く着替えないと」
「そうです。っていうか、着替えるのは僕が出て行ってからにしてください」
「なによ、もう長い間一緒にいるのにまだなれないの」
「慣れるわけないじゃないですか」
「あれーまさか興奮してるのかなー」
それ聞いちゃいますか。
小悪魔のように問いかけてくる声はもはや、うん。
「興奮するに決まってるじゃないですか。セゼナさん理解してますか。貴方の体は男の子にとってすごい魅惑的なんです。そんなんじゃいつ僕が襲ったっておかしくないんです」
「えっ」
さっきまでとは違い小悪魔からは恥じらいの表情が見てとれる。
「早く出てってーーーーーーーーーーーーー」
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