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「私たちは、国家規模のプロジェクトに参加することになるのね」 「はい。この時代の人には、詳しいことは言えませんが」 「未来を__よろしくお願いします」 そして、華子の姿は光の中に消えていった。 そんな出来事があってから、もう20年が経とうとしている。あれから5年ほど、華子は未来からやってきて私たちに赤ちゃんを預けては消えていった。 今は超高齢化社会だ。お年寄りばかりが街を歩く中、若者の姿を見つけると、つい目で追ってしまう。 __あの子は、未来から託された、希望の赤ちゃんなのではないか?  そんな考えが頭をよぎる。そう、あの華子が託していった赤ちゃんが、もう成長してそのくらいだからだ。  彼らは、何も知らず、孤児として生きている。自分の顔も知らぬ親を恨んでいるかもしれない。でも、だからこそ、安心していいのよと声をかけたい。 この時代に生きる者は人間同士、つどうことを許された者。 すべては親の愛情なのだから。  __想像してみて。あなたの周りにいる若者、そう、バスで席を譲ってくれたあの子も、もしかしたら未来からの、大事な預かりものかもしれない。  人に優しく。アンドロイドに優しく。それが最近の私のモットーだ。アンドロイドと人が共存する未来、そして人が絶滅の危機を迎える未来は、ほら、すぐそこに迫っている。 あなたが今すれ違ったのも、未来からの希望かもしれない。
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