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深夜のナースコール
真夜中の循環器病棟。
毎度の事ながら、夜の病院は不気味だと思う。
これに慣れることが出来ないようじゃ、もしかしたら私は看護師に向いていないのかもしれない。
看護師とは、それだけ度胸のいる仕事なのだ。
しかしながら、やはり不気味。
非常口の緑色の光。
消火栓の赤い光。
耳が痛いほどの静寂の中、回復室から聞こえてくる心電図モニターの音が、三日前に友人宅で見たスティーブン・キングのホラー映画を思い出させた。
「……怖い……」
梅雨が明けたばかりの夏の夜の生暖かい空気と、電池の切れかかった懐中電灯の点滅が、夜勤中の私の恐怖を煽る。
「異常なし。……早く詰め所に戻ろう……」
戸締りの最終確認も済み、私は足早にナースステーションへと向かった。
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