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「あっ、お客様よ。仕事、仕事」
「はいっ」
返事をして、華林は表向き平静を装い業務へと戻った。
まさか九条さんが私を見てくれたなんて、口が裂けても先輩達には言えない。
だって、そんな事を言ったら嫉妬で険悪になるかもしれないし。
仕事は楽しくやりたいもんね。
ごめんなさい、先輩。
抜け駆けすることになっても、許して下さいね!
大手企業だけに、訪問客は多くて忙しい。
華林は九条の顔を思い出しながら、午前の仕事を終えた。
昼になり時間差出勤の先輩と野沢達が先に昼食を済ませに行き、戻ると今度は華林が社員食堂へ向かった。
ランチセットを頼んで、空いてる隅の席へと腰かける。
それから手早くランチを済ませる。
昼食タイムは一時間あるので、仕事に戻るのはまだ余裕があった。
華林が早くランチを済ませるのには理由がある。
それは…。
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