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まぁ…美しい物は愛でたい心はあるので、九条が現れるとドキドキソワソワして、うっとりしていた。
その時ばかりは、有り得ない夢を一時的に見ていたりする。
「もう諦めちゃいなよ。九条社長は無理よ~」
「野沢センパ…」
仕事終わりに受け付け嬢仲間四人と居酒屋へ。
そこで飲みながら愚痴を溢した華林に、先輩達が慰めの言葉をかける。
「あれだけイイ男だもん。きーっと、すんごい美人の彼女が既に居るのよ~きっと」
「そうそう。夢見てもムダムダ~。社長の顔を拝めるだけ幸せと思わなきゃねぇ」
グダグダとビールや日本酒を飲みながらの慰めに、華林は夢見ていた自分がちょっと可哀想に思えてきて、グスッと泣いた。
泣き始めた華林に、野沢達が次々とお酌していく。
「今日で叶わない恋は忘れるのよ~!」
「は…はいぃっ…ううっ」
「新しい恋を見つけようぜぇ!」
「「「お~!!」」」
酔っ払いながらも自分を気遣ってくれる先輩達に、華林は泣きながら、お礼を言うのだった。
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