特別番外編『恋するモブ子のドキドキ受け付け業務』③

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そのうちに、ふと気がつく。 「…そういえば」 九条の抱えていた男の子は恥ずかしそうにしていたが、嫌がっていただろうか? 暴れてはいなかったようだ。 そして、九条は…。 「……あ」 確かあの時、一瞬だけ男の子を見下ろしたのだ。 その表情はどうだっただろうか? 九条の柔らかい口元に気がついたのは自分だけ? 絶対に見ることの無いであろう、九条の慈愛にも似た表情。 決してニッコリ笑った訳ではない。 けれど、見間違いでは決してない。 毎日、九条の事を見つめてきた自分だから分かる。 「………、誰なんだろう」 九条にあんな顔をさせた少年は、一体…。 大切な関係に違いない。 それならば…と、華林は黙って目を閉じた。
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