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声は愉快極まりないといった感じで、スーパーボールのように弾んでいる。だが、目は、口は、愉快さの欠片も感じられなかった。
何か、思うことがあるのかもしれない。自分の目に、口に、コンプレックスを抱えているがために。
(……もしかして、これかもしれない)
私は閃いた。きっと今まで殺された誰もが考えつかなかったような、今から殺されるという時に思いつかないような、そんな考えが。
「30秒経ったけど、答えは出たぁ?」
確証はない。だが、私は心の奥底ではこれが正解だと、彼の本心はきっとこれだと、自信を持っていた。
私は深呼吸をひとつして、口を開いた。
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