꙳★*゚

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꙳★*゚

「そう言えばさ、楓が初めてうちに来たこと覚えてる?」 うん と答える前にタクシーの運転手から代金を告げられる。 「断片的にだけど、覚えてる、、よ」 「えー、絶対覚えてなさそうな返事じゃん、あ、コンビニよろうか」 おつまみコーナーに二人で立ち寄るのは本当に久しぶりだった。というか誰かの家で宅飲みするということ自体がご無沙汰になっていた。 「あ、この柿ピー、一緒に食べたよね、無限に食べれるやつ笑」 「次の日ニキビ出来るやつね笑」 カゴの中が柿ピーと大量のスナック菓子で溢れる。こんなに食べられないと思ったが、はしゃぐ笑顔が可愛くて何も言えなかった。 「お邪魔します。」その声が静寂に澄み渡った。 「あ、いいよいいよ、靴の向きとか直さなくて!本当に楓はいいこちゃんだね、変わんない。」 フローリングの冷たさを感じつつ奥へ進むと見知った物があった。 「あ、これ。」 「そうそう、覚えてる?」 CDがそこにはあった。Perfumeの3人が写っているCDジャケットに、懐かしさを覚えた。それと同時に大学時代にタイムスリップした。 あの時、初めて家に上がった。 あのCDで一気に2人の距離は縮まった。 あの部分がいいとか、あそこはイマイチなんだよとかそこから自分たちが抱えてるものを全て話していた。 「てかさ、この柿ピーほんと美味しいよね、マジで止まらんもん」 「本当にそれ。変わったのはあたしたちの歳くらいじゃん笑」 「老けたよねー」 「うん老けた」 周りがちょっとずつ結婚し始めていることに、怯えながらも参加した合コンは不発すぎていた。急に凪の携帯にヨッシーのアイコンが表示される。 「あ、オッケー、いま楓と飲んでるとこ。楓と代わる?」突き出された携帯画面のヨッシーに話しかける。 「うん、いま凪の家で飲んでるよ。良かったら来なよ。え、あの男も来るの?」凪が鋭い目付気であたしを捉え、首を横に振っている。 「え、うーん、ちょっと凪に代わるわ」 結局ヨッシー単体が来ることになった。交渉事は自分でやらない方がいいということが本当にわかる。 「ヨッシー、あの八重歯のやつに絡まれちゃってたらしいよ。」 「えー、ヨッシーってああいう人が好きなの?」 「分からない笑、まぁ、来たら聞けばいいんじゃん?てか3人来たらちょうど良くなるね、つまみの量笑」 あ、わかってたんだと思って、自然に笑みがこぼれる。
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