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久々の再会で、近況を話しながら夜を明かし、完成度3分の2の化粧で駅に向かう。
ケータイのLINE通知が胸の高鳴りを感じさせた。
ー今日会えないかな?ー
震える手を、ポケットに入れながら考える。一旦家に帰ろう。
電車に揺られながら、長い深呼吸して弾んだ気持ちを落ち着ける。
湯船に漬かりながら、考えるのは何を着ていこうか
それの一択だった。
気持ち長めの半身浴の後お気に入りのオイルを髪につける。
ーあたし、楓には幸せになって欲しいのー
ヨッシーの言葉が脳裏をかすめる。
ヨッシーには付き合って3年の彼氏がいる。なのに合コン参加してる、そんな女である。勝ち組ってやつだよね。
ブラッシングしながらこう思う。
誰もあたしの気持ちなんて理解してくれないし、誰にも理解されたいとも思わない。
女同士は、盛り上がるところは人一倍だけど、こういう内容になると敵どうしなのである。
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