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・薺 side・
『お前が薺の親衛隊の隊長だな!?』
『そうだが?何か用か・・・転校生。』
『親衛隊を解散しろ!!・・・聞いてんのか!?』
『聞いてる聞いてる。だが、俺はお前の命令なんて聞かねぇ。俺が命令を聞くのは薺だけだ。薺が俺に直接言わない限り、俺は何もしない。』
『っんだよ、それっ!!・・・お前のせいだぞ!?』
『・・・はぁ?』
『お前がいるせいで薺に友達ができないんだ!!薺が愛想笑いなのも、周りと壁を作っているのも!!全部お前が隣にいて友達になろうとしていたやつを追い払っていたからだろ!!』
『お前に何がわかるんだよっ!!薺がずっとずっと苦しんで、怖いのを我慢してやっと人と接することができるようになったの、お前は知ってるか!?親衛隊のみんなが薺の意思を尊重してくれるからこの親衛隊を嫌いじゃないと言っているのを、お前は知っているか!?俺の悪口はいくらでも言えばいい。だけど、薺の過去を、親衛隊のみんなを知らずに勝手に言うのは許さない!!』
・・・なんてことをしてしまったんだろう。
ハルはずっと僕のことを考えて行動してくれていた。
ハルが怒鳴ったのは、僕の過去や思いを守るため。
ハルが僕に嘘を吐いて自分を悪者にしたのは、僕に親衛隊の隊員達が嫌わないようにするため。
何で、僕はそれに気付いてあげられなかったんだろう。
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