362人が本棚に入れています
本棚に追加
誰よりも傍にいた。
誰よりも信頼していた。
誰よりも時間を共にしていた。
それなのになぜ、僕はハルの嘘を見抜けなかったのか。
自分が、恨めしい。
「・・・僕は、愚か者です。ハルはずっと、僕のために行動してくれていたのに・・・。」
「ようやく分かったのか。・・・ま、遥輝も遥輝で強情なところがあるもんな。」
「ハルと会長は今、どこにいるんですか?」
「葵の部屋だ。アイツ今まで我慢してたから、もう遥輝喰っちまってるかもな。」
ーブツンッ。
臼井和馬の言葉に、僕の中の何かが切れた。
ふざけるな。
ハルに触れていいのは、僕だけだ。
僕以外の人間がハルの綺麗な心に触れるなんて、許せない。
「あ、やべ。敵に塩を送っちゃったか?・・・頑張れ、葵。」
最初のコメントを投稿しよう!