嫌よ嫌よも好きのうち!?

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「ひっく。っく。」 会長の部屋に連れてこられてから、未だに泣き止むことがない。 それくらい、薺の言葉は俺にとって重要なのだ。 「ざいでいっで。ざいでいっで。ひぐっ。おれ、もういらないのが?なじゅなは、おれのごど、ずでるのがなぁ?」 生まれてからずっと、薺と離れたことはなかった。 だからこそ、不安になる。 必要ないと言われて捨てられたら、俺はどう生きればいいんだろうかと。 「・・・本当、お前は薺ばかり言うな。」 コトンッ。とテーブルの上にカップを乗せながら、会長は呆れたように呟く。 だって仕方がない。 俺は、薺が隣にいる生き方しか知らないのだから。
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