362人が本棚に入れています
本棚に追加
「らっで。」
「だってもくそもあるか。今はあったかいココアでも飲んで少しくらい落ち着け。」
さっきの音の正体はココアだったのか。
甘いココアの匂いに、少しだけ安堵する。
「いだだぎまず。」
「おー。」
ふーふーと息を吹きかけ、十分に冷ましてから一口飲む。
飲んだ瞬間広がる温かさに、また泣きそうになった。
「おいじい。」
「そうか。」
ふわり。
そう形容するのがとても合う笑顔で会長が笑い、俺の涙が引っ込んだ。
あの俺様の代名詞である会長が、あんな優しく笑うなんて・・・。
いや、会長は優しいか。
書類の時も今も、俺のために動いてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!