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でもと言おうとした瞬間、唇を塞がれる。
軽く合わさった唇からは、ほんのりとココアの味がした。
それに気付いたのか、会長は俺の唇を舐める。
・・・ん?
何で舌がグイグイ唇を押してくるんだ?
疑問に思っていると、
ーバァンッ!!
「バ会長ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
勢いよく扉が開き、薺が部屋に入ってくる。
ちょっ。
俺まだ心の準備できてない・・・!!
だが、薺は何も言わずにこちらに来て、
ーバシンッ!!
思いっきり会長の頭を叩いた。
「何てことをしてくれやがったんですか貴様。ハルの唇を奪うなんてハルが穢れてしまいます。・・・あぁ、ハル。ごめんね、何も聞かずに最低なんて言って。ハルの友達君から全部聞いたよ。僕のためにいっぱいいっぱい苦しませちゃったね。本当にごめん。」
薺にぎゅっと抱きしめられると、俺はまた泣いてしまった。
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