君色に染まる。

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一歩足を踏み入れた店内は、100人以上はいると思われる同窓会の参加者で埋め尽くされていた。 大きなテーブルの上には数種類の料理が並び、立食形式で会が進められている。 「うわ、さっきより人増えてんじゃん。すぐ料理なくなっちゃいそー」 「紗南はもう受付済ませてるんだっけ?先行ってていいよ」 「マジ?んじゃ、お先にご馳走ゲットするわー」 「うん。あとでね」 ルンルン聞こえてきそうなほど上機嫌にスキップを踏んでいた紗南が、溢れる人の渦の中へと消えて行く。 その背中を見ながら、鞄から財布を取り出した。 思ってたより人多いなぁ… 早くしないとほんとに料理なくなっちゃう。 でも、入口で受付って言ってたのに… ここ入口だけど誰もいないし。 みんな昔話に花を咲かせていたり、豪華な料理に夢中になっていたりで遅れてきた私には誰も気付いてない。 うーん…どうしよう。
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