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「ーーー…七海、待って。一緒に帰ろ」
「え?」
夜空を眺める私のすぐ後ろから聞こえてきた声。
それに反応するように上を向いていた顔を元に戻すと、そこには何故か葉月くんの姿があった。
「あれ、葉月くんも帰るの?二次会は?」
「んー、行かない」
「幹事なのにいいの?」
「うん。二次会の幹事は別の奴だから問題ナシ」
「そうなんだ」
さっき話したとき、有休貰ったから暫くこっちにいるって言ってた。
だから、てっきり葉月くんも二次会行くのかと思っていたのに…
「なんで行かないの?葉月くん友達たくさんいるし、人気者だから行ったらみんな喜ぶのに」
「なんかさ、みんなと話してると息が詰まっちゃって。それで、逃げてきちゃいました」
「え…?」
「なんていうか、みんなを見てたら俺って何なんだろって思っちゃって。ちょっと疲れた」
「……」
ねぇ、葉月くん。
7年という時間は、確かに私達を大人にした。
でもね、変わらないものもあったよ。
私達は…相変わらず気が合うみたい。
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