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君色に染まる。
「七海ー!こっちこっち」
「紗南!ごめん、遅くなった」
ーーー同窓会が行われる当日。
開催場所である地元の飲食店に少し遅れて到着した私は、一足先にこっちに戻って来ていた紗南と合流した。
今回の同窓会は同じクラスという括りではなく、同じ学年全員が対象の大規模なものだ。
卒業して7年。
地元を離れた人も沢山いるし、そんなに人も集まらないだろうと思っていたのだけど。
目を向けたお店の入口に立てられた“本日貸切”の看板が参加人数の多さを物語っていた。
「遅ーい!何やってたの?」
「うちの会社、たまに土曜出勤があるんだよ。
で、今日は運悪く出勤日」
「うげ、じゃあ仕事終わりで
新幹線乗って来たってこと?」
「そうそう。もうクタクタ」
「それはお疲れ。てか結構人集まってるから
中入ろ。会費集めるから受付もしなきゃ」
「うん」
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