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「では、この中にその一枚は、入っているかい?」
「え?」
彼は袋をパカッとあけた。
「僕は断じて日頃、買い食いはしていない。佐々木ちゃん。食べていいよ」
「うん。いただきます」
ぱりぱりと咀嚼しながら考える。普通、普通ってなんだっけ?
私の食べているポテチは歪んだり、大きかったり、ふくらんでたり、様々だ。
「うーん。佐々木くん、普通ってわからなくなっちゃった」
「そうだろう」
彼はニヤリと笑う。
「結論、佐々木ちゃんは立派に“普通”ではない人間だ」
「そこにつなげるんだ……」
「自分を普通って言葉にした時、君はネガティブな感情を入れなかったかい?」
「それは、私は面白い人間じゃないし……」
「でも君は“普通”じゃない」
ん?これは慰められてる、のか?
「佐々木くんはやっぱり面白いね」
「そうかい?そう言う君は、僕からすると面白いよ。僕にとっての“普通”を面白いというのだから」
「あはは。お互い様かー」
やっぱり佐々木くんは面白いし、変わっている。
「日々、疑問を持つこと、か」
「何?佐々木ちゃん、興味出て来た」
「うん。ちょっとだけどね」
彼は嬉しそうに笑う。
もうすぐ明日が来るけれど、彼は、やっぱり私の“気になる”人だ。
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