キューピッドのコブタ

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キューピッドのコブタ

「ねえ、知ってる?」 今日もそんな一言から始まる。 「またらしいよ」 奇跡の1ページを讃える声。 「佐藤さん、三好君と付き合い始めたんだって」 起き続ける偶然を、人はいつしか「奇跡」と呼び始める。 「これで、5人目?」 恋の立役者。 「すごいねえ」 賞賛と羨望。 「私も髪切ってもらおうかな」 妬みは、ない。 「コブタちゃんに」 その立役者はいつだって影の存在だから。
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