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 自分たちのほうが上であるという選民意識に取りつかれそうになっていたと自覚し反省する。  順番がやってきて一礼すると賽銭を落としこむ。手を合わせて、祈る。  ――ネタ見せ番組以外にも呼ばれますように。それこそドッキリでもなんでもいい。漫才以外でもがんばりたいのでどうかなにとぞよろしくお願いします。  神様をプロデューサーか何かと勘違いしているんじゃないかと我ながら思うが、プロデューサーは神様みたいなもんなのでよしとする。角幡の願いは訊ねなかったし、俺も言わなかった。  おみくじを引いてみる。  大凶だった。 「ウソだろオイ! こういうときは抜いてあるんじゃないのか!?」 「芸人にとっちゃ大吉だろ」  しれっとこちらに大吉を見せつけながら角幡は言った。 「う……うーん、まあね?」  まんざらでもない気分になった俺に角幡は笑っていた。  正月はネタ見せ番組が多い。初笑いだのなんだのと芸人が朝から晩まで、なんなら真夜中にだって騒いでいる。俺たちもありがたいことに呼んでいただいて、茶の間を抱腹絶倒に……できているかは定かじゃない。よくも悪くも現実というか地力が露呈したと言える。それまではネタ帳の書き込みを増やすだけで自分たちが面白くなった気がしていたのだ。
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