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ドアが初代〇イオ〇ザードのような不気味な音を立て、ゆっくりと開いていく。
この音が鳴ってる時点で隣の部屋とは別物のような気がしたが、それを口に出す余裕は今の俺には無かった。
「ほら、見てくださいよ……この部屋」
腹立つぐらいの無邪気さで言ってきたが、彼女に促されるまでもなく傍に寄ってしまったことで視界に部屋の様子が自然に入ってきた。
そこは想像を絶する有様だった。
まるで、今殺人が起こったと言わんばかりに部屋の隅々に血が飛び散り、ドアの入口付近では大きな血溜りが出来ている。
「えっと……ここって事件が起きた時のままなの?」
「まさか……ちゃんとリフォームしましたよ。それも2回も、ね」
そう言って彼女は忌々しいと言わんばかりに親指の爪を噛む。
「2回も?そ、それは大変だったな……」
2回ぃ~?!2回リフォームしてこの様って、どうなってんだ?!呪いどころの騒ぎじゃねーぞ!
全力でツッコミたい気分だったが、そんなことしてる場合じゃない!早く、この部屋から離れないとどんな災いが起こることか――。
そんなことを思っていると、部屋の奥で何かが動くのが見えた。
それは間違いなく若い女性だった。
若い女性が蛇のように身をくねらせ腹ばいで近寄ってくる。全身血塗れで、着ている服の色さえよく判らない。
ただ、はっきりと判るのはこの女が明確な敵愾心と殺意を俺たちに向けているということ。
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