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1話 ここって事故物件ですよね?
部屋の何処かで音がする。
そんな気がして、俺は目を覚ました。
枕元に置いてある時計に目をやると、真夜中の2時を少し回ったところだった。
良かった、まだ2時か、と内心ホッとする。
明日は7時には起きないと仕事に間に合わない。
これが仮に6時だったとすれば、また眠ったとしても1時間後には目覚しに叩き起されるわけで、どう考えても良い目覚めは期待が出来ない。
だが、これが2時なら、あと5時間も寝れるわけだ。
そんなわけでまた眠りに着こうと試みるのだが――部屋の片隅からさりげなく響いてくる音が気になって眠れない。
明らかに風や雨の音とは異なる音。
どちらかと言えば、何かを引っ掻くような音――が一番近いだろうか?
何の音だろうか?
俺は確認するためベッドから出た。
音はどうやらクローゼットの中から聞こえてくるらしい。
マジでネズミでも居るのか?
そんなことを本気で考えていた。
一般的にアパートにネズミが居るとは考えにくい。だが、このアパートは築30年ほ経過してると、不動産屋のお姉さんが言っていたが、この部屋の家賃が安いのもそれが理由だとも言っていた。
そんなことを考えながらクローゼットの扉を開ける。
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