さんふらわあで抱きしめて!2

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「メイごめん。僕が全て悪いんだ。僕は自分の過ちをメイに隠そうとした。何もかも全部隠したかったんだ。メイの記憶がないことがわかって、僕はそれを利用した。 メイ、今こそ、はっきり言う。 僕は若い時に過ちを犯した。それで僕たちの仲はずっとギクシャクしてしまった。 事故にあったあの頃もそうだった。僕はあの日、少しでもメイと話がしたくて2人で自然の多い場所に出かけたんだ。でも到着する前に、あんな事になってしまった。 子供達も僕達の事は薄々気づいていた。 その頃僕は転勤で家族とは別々に暮らしていた。時々週末に帰っても、メイはただ僕に対して、事務的にやることをこなすだけで、大して口も聞いてくれなかった。それで僕はとても寂しい思いをしていたんだ。でもそれは当然の報いだった・・・。 メイ、大丈夫か?驚いていると思うけど・・・話すの、早いか?」不器用なユウリはそう聞いた。 メイはショックと驚きが隠せない様子で、表情を硬くし、両手を握りしめて下を向いていた。 それでも懸命にユウリの言葉を受け入れようとしていた。 しばらくしてメイは言った。 「いいわ、続けて」 私はメイのそばに行き、メイを見つめその肩を抱いた。 「裕子、裕子のことも驚かせてしまうよ」 「え、私?」 「裕子、僕は、僕は・・・。マモル、マモルなんだよ」 私は自分の耳を疑った。そのまま息が止まりそうなくらい動けなくなっていた。 ユウリがマモルくんなら、どうして気がつかなかったのだろう。 見た目は確かに髪は長くなり、色も違う。 「そして僕は、去年の9月、裕子がさんふらわあに乗ることをこっそりSNSを見て知ってたんだ。それで家族で裕子に会いたかったんだ。裕子と会うことが、いつかメイのためにもなるかも知れないと思って、船旅を計画した」 私は去年の1月の辛い記憶がみるみるうちに蘇ってきて、許していたはずの、封印していたマモルへの悲しい思いが湧き出してきていた。 なぜあのとき、東京駅で私を置き去りにして行ってしまったのか、そして連絡も出来なくされてしまったのか。 「どうして・・・・ どうして・・・・ どうしてあの時、急にいなくなったの?」 私は急激に表情を変え、あの時ぶつけたかった込み上げる思いが溢れ出しそうになり、思わず顔を手で覆った。
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